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そのひとのうたはそのひとのものだ

 熱海に行ったが、4年ぶりくらいか。一時期毎週行ってた時があった。海見て寿司食べて温泉入って帰ってくるだけなんだけど。発表会の次の日がたまたま誰も来ないので休みになったので。

 いやあ、発表会。今回初めて使う「すみだトリフォニー小ホール」はクラシックのホールなのであった。響きすぎるのと支えを作らなくてもポジションだけで行けそうで、そういう手抜きはむずかしいけど。シビックはただの箱だったよなあ。あそこ後ろまで鳴らすの大変だが、ヨイトマケ根性みたいなものでやってきてしまって、山だし丸出しな感じに思われないかと品よくやろうかなどといろいろ冒頭で迷った。

そして、余り支えが無い人などでも、ポジションが良ければ結構響いてしまうホールなんだな。いいのか悪いのかだが、きっといいホールとはこういうものなんだと思う。シビックも空調直すとかで2年も休館だが、「空調」だけ直すんでしょうね。さすが気が利かない文京区のやることは毎度刮目である。

当教室の生徒はうまいのであるが、トリフォニーならそれ×1,3倍くらいはうまく聞こえる。

 会の終わりで、サプライズで還暦を祝って頂き感無量です。結婚に恵まれなかった私であるが、こうやって多くの優秀で心優しい生徒さんを抱え幸せである。それはまるで映画「ミュージック・オブ・ハート」のようではないか。この映画のサブタイトルは、幸せな結婚は女の能力をダメにする、であるが(私が考えた)最後彼女のお母さんが、「あのダメだんなに感謝しな」と言ったのが印象的。だんなが体たらくで遊び好きで髪結いの亭主だったから、私は子らの学費を捻出するために「この教室」をはじめ、でも私はそんな偉い先生ではないので、勉強しながら必死に運営してきたわけだが、もう今やワンチームともいうべきテノールバリトンピアニストに恵まれ、こうして生徒さんたちも優秀で、しかしこの仕事の中でどれだけ私は成長し支えられてきただろう。

ついでにその理由だった子らも音大(芸大はだめだったが)と東大に入り(すいません自慢です)来週は娘のピアノ教室の発表会である。わたしはだんな以外は全部良かった人生といってもいいのかもしれないなあ、と熱海で考えた。

でもそこで話は終わらないのである。その「ダメ旦」は食い詰めて田舎の家を売ってうちにくるというのだ、というか半ば私が呼び寄せた部分もある。当教室は面白い人がいっぱいいるが、食える女子(食われる女子ではなく)がいっぱいおり、男より働くわけだが、そうするとそこ、男運悪いのである。中でも私が尊敬するキング・オブ・ダメンズウオーカーの生徒にその旨を伝えると

「先生に言われたくないですよ」 ははは、そらそうだ。

「自分らしく生きる」とかばかじゃねえの?どうやろうが、どんなダメだとわかってても「そうならざるを得ない」を人は生きるんだよ。だからそのひとのうたはそのひとのものだ。

つまらんじゃないですか「フツウ」の人生って。11月も先生特権でなんかうたおう。コロナ終わってるといいなあ。

 

 

 

 

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