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ほどほどのうた

還暦というものになったが、何も変わらないばかりか、小学校の頃から大した進歩もなく生きておりますが、年寄り特権でワクチンも7月には受けられるようだし、今日は娘息子が還暦祝いをしてくれるというのだが、高級焼肉屋でということだったが、酒の提供が7時までということで、それならお願いだから近所の街中華「新三陽」で、それは「渡る世間は鬼ばかり」の「後楽」のような店であるが、そこの出前で家で夜な夜なビールを飲ませてくれ、ということになって、これから餃子、春巻き、チャーハンなどを取ります。こういう中華がうまいのがいいと思うんですよ、最近のラーメン屋とか凝りすぎてて。名工は少し鈍き刀を使う、と兼好が言ったように、うますぎるご飯は疲れる。

 60過ぎたらほどほどを目指す。多分私が一番できないことだし、目指さなくてもほどほどになってしまっているのと、ほどほどを目指すのは違う。ほどほどになってしまっているのにさらにほどほどを目指すなどという複雑なことはできないから、いつまでも全力投球、玉砕人生なのだな。

 せめてみんなが聞いていて疲れないうたをうたおうと思うが、今週木曜は「夕鶴」のつうの執着と諦めの激しいシーンをやるんだが、これはなんかすごいことになってるな。

 でもこれを高度経済成長のただなかに書いた木下順二って偉いと思う。

 日本復興のお祭り騒ぎの時に「ほらほらあなた、帯がほどけてますよ」というような白けた話。三波ハルオが「オリンピックのその日まで」を歌い、高速道路をうっかり日本橋の上にかけちゃったり、いろいろあったが、とにかく日本が好景気に沸いてる最中になんという陰鬱な湿気った話なんだろう「夕鶴」は。

 文学者って心底根暗だからね。

 つうはもうこの人たちはダメだわな、と思い帰っていくんだが。もう一度戻ってきて、鶴の仲間を搾取して「千羽織」を量産して都で大儲け、とか、工場を中国に持っていってさらに大儲けとか、資本主義の拡大は止まないが、唆した惣どと運ずだって、その後つまんない投資で失敗して夜逃げしてるかもしれないし、金に明かして甘やかした息子が何かやらかしちゃったかもしれないし、でもそこまでやってみたかったんだよ、という声が聞こえる。

 それは戦後の日本の姿だ。

そこまでやってみたかった。ほどほどとか嫌だったんだよう。

1961年生まれの私だが、1990年代生まれの子供たちはもうすでに「ほどほど」にやる何か術を知っているようである。そうすると海外から惣どと運ずがやってくるというのが世の常だが。

 オリンピックやるんだ、とみんなが白けてる。コロナなのにやるのか!!帰れ与太者外人バッハ!と怒ったりもしない。まあ少し感染者も増え、人もそこそこ死ぬだろうが、そんなにやりたきゃやれよ、と思ってる。資本主義の神輿を担いでるのほほんの一部の人間だと思うが、そんなにうまいものが食いたいかね?胃が荒れない?ほどほどでいいよ、と大半の人は思ってるのではないだろうか。本当に日本の復興は終わったんですね。復興したってことですよ。おめでとう日本、それから私。

 

 

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